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【DQIII - DnD v3.5】

■ はじめに ■

本ブログはDQIIIをDnD v3.5にてプレイする企画に関する、1参加プレイヤーによるセッション資料・プレイリポート等、諸記録となります。

■ レギュレーション ■

・「名前は4文字以内」
・DnD3.5版日本語版使用
・勇者は人間16歳ハイロニアスなパラディン
・PHB種族は使用可能。他は応相談
・マルチクラス、上級職の選択はダーマの神殿のみで可能。
・キャラクター再構築はダーマで1回のみ。元のレベルを再構築時の最低半分残すことが条件。もちろん、再構築後もクラスの前提条件をすべて満たしていなければならない
(たとえば、Brb6LvならBrbLvを3Lv残してほかのクラスを合計3Lv分に変更できるが、再構築後にもアライメント制限等満たさなきゃいけないので、Brb3Lv+Pld3Lvという変更はできない。Lv以外のHPやら技能やら特技やらその他能力については、PHB2のP.199にある手順に従う)
・一度再構築した後は、PHB2のP.194の再訓練なら可能。しかしダーマの神殿まで行く必要あり。

■ カテゴリについて ■

・冒険の書・・・プレイリポート
・情報・・・プレイ中に判明した諸情報に関して
・キャラクター・・・キャラクター詳細

冒険の書

20数年前に世界を震撼させた『魔王』については未だ皆の記憶に新しいと思う。
その『魔王』が一人の勇者と、数名の仲間たちにより倒された事を知っているだろうか?
本ドキュメンタリーは関係者の証言に基づいて構成された、世界を脅かす魔王に敢然と立ち向かった勇者とその勇敢なる仲間達の戦いの記録である。

■勇者とその仲間たち■

現在、勇者と、勇者と共に戦ったと伝えられているのは・・・

ロッティ(パラディン/人間):亡き父の意思を継ぎ、魔王を打倒せんとする勇者。
リィマー(ウィザード/灰色エルフ):気高き森の一族出身の秘術魔法の使い手。
エヴロン(スカウト/灰色エルフ):同じく気高き森の一族出身の射手。イシスピラミッドの冒険にて死去。
ソフィア(クレリック(ファーラングン)/人間):旅の神に仕える僧侶、仲間たちの命を支える癒し手。
バルミクマイリィル(ニンジャ/ウィスパーノーム改めグレイイエルフ):謎多き種族出身の顔を隠した忍者。陽炎お○
ツナ(バーバリアン/人間改めゴライアス):蛮族出身の戦士、薙刀と大剣の使い手。

・・・の6人の英雄たちである。

冒険の書 −壱拾壱−

I「オロチも倒して、ヒミコ・・・ではなくて贋ヒミコの軛からジパングを救われた訳ですが・・・」
S「ああ、アオイとタケルの行方も結局判らずじまいでな・・・」
I「心配でしたね」
S「ああ、だがどうにもならん。神託でも結局は我等の道行きの先に二人も居るだろうと言う事だったさ」
I「では?」
S「ああ、一歩ずつ前進む事にしたさ。」

〜冒険の書 壱拾壱〜

I「次はどちらへ向かわれたんですか?」
I「勇者オルテガの足跡もポルトガで途切れてますよね。アオイさんとタケルさんの行方も手がかりがありませんし。」
S「先ずはダーマ神殿に・・・之で三度目か?向かったよ。勇者の再訓練の為にな」
I「勇者の再訓練、ですか。」
S「ああ、信仰魔法を行使する力を手に入れたいと言う事でな。」
I「あれ?勇者さんのクラスはパラディンだったと吟遊詩人の歌では・・・まさかそれも?」
S「いや、パラディンだったことに間違いはないさ。」
S「冒険を始めてからこの時までは、魔法能力と引き換えに戦術特技の訓練に時間を費やしていたのさ」
I「ああ!そういう事だったんですね!」
S「奇しくも勇者が旅を始めて丁度一年目に魔法を使えるようになったと喜んでいたさ。」
I「・・・あ!丁度一年目と言う事はひょっとして!」
S「うむ、勇者の17歳の誕生日さ。」
S「ささやかだが宴の席も設けたな。一年、長かったな・・・」
S「そういえばマイリィルも、前に倒した青竜の体から取り出した胆汁で何やら加工していたが・・・そちらは残念ながら失敗した様だったな」
I「ダーマ神殿に立ち寄られた後はどうされたんです?」
S「うむ、先のオロチ退治で手に居れた戦利品を鑑定したところな、中々価値のある品物が揃っていることが判ってな」
S「アッサラーム経由でイシスまで向かい、戦利品の処分と何時ぞやの『星振る腕輪』を買い戻して来たのさ」

***

S「そして次の行く先だが、前回訪れた時にイシスの女王から得た『オーブと鍵の探索』が唯一の手がかりだ」
S「もっとも、具体的な情報は無かったからな、ソフィアが神に伺いを立てたのだが・・・なんだったかな」
S「そうだ、『氷に閉ざされた地の、古き聖獣を奉る神殿を訪れよ』という託宣を受けたのさ。」
I「それでレイアムランドへ向かわれたんですね・・・あれ、でも氷に閉ざされたと言うとグリンラッドだって氷に・・・」
S「ああ、特に深い理由が有った訳では無いさ。アッサラームから移動するのに近かったからな。」
S「あと、直ぐ近くに大きな街が有ったからな、探索しやすかったのさ」
I「大きな街・・・ああ!ランシールの門前町ですか!」
S「この世界でのハイローニアスの総本山だ、船も手に入れたのだ、行かぬ訳には行くまいよ」
I「勇者ですからね(笑)」
S「其の通りよクククククッ」

***

I「と、言う事でレイアムランドの前にランシールですが、やっぱり昔から?」
S「その口ぶりからするに、貴様も訪れた事が有るようだな。」
I「ええ、今回の企画の為に、勇者さんの足跡をたどりましたから・・・」
S「一生分の『無敵』『最強』『勝利』の文字は見たな、あの一回で。」
I「当時からそのまんまだったんですね」
S「しかし・・・キュアワンドに『一発入魂』と言うのは・・・」
I「・・・」

***

S「気を取り直してレイアムランドだな」
I「レイアムランドですね」
I「氷に閉ざされた地、え〜〜もうアレな感じですが、一応『竜の探索』として一番よく知られている歌では、レイアムランドでは氷の女王と・・・」
S「あ〜〜〜・・・この時は何も無かったな。白竜の幼生に遭遇した位か?」
I「・・・」
I「えーっと、レイアムランドではラーミアを奉る神殿でしたか」
S「ああ、二人の巫女がラーミアの卵を守って居たな」
S「曰く、オーブを全て揃えればラーミアが孵化し、ラーミアの力によりバラモスの居城の周りを取り巻く負のエネルギーの領域を通過できる、ということだな。」
I「負のエネルギーの領域、ですか」
S「ああ、その領域が有るが故に、通常の手段ではバラモスの居城には何人も近寄ることが出来ない。」
I「・・・やっと」
S「ああ、やっと手が届く所まで来たな。」
S「そう、其処では他のオーブの有りかを示す手がかりと、オーブの場所を明らかにする『やまびこの笛』がアープの塔に納められているという情報を得る事ができた。」
I「オーブの手がかりと言うと『大地の深く、真に強き意思持つ者、勇敢なる心の持ち主が・・・』という奴ですか?」
S「ああ、其の通りだ。その詩は伝わって居る様だな」
I「一つはランシールの勇気を試す洞窟、もう一つはテドンで・・・」
S「残りはその時に直ぐには判らなかったな。我等はひとまず『やまびこの笛』を求めて、アープの塔を目指すことにした」

***

I「吟遊詩人の歌では、アープの塔と言うと切り離せないのが海賊ですが・・・」
S「ほう、どの様なエピソードとして伝わっているかはともかく、確かに海賊の話はこの時だ」
S「アープの塔を目指して航海を始めて何日目だったか・・・我等の前からエルフの部族と思しき旗を掲げた快速艇が向かってきた。」
S「まさかいきなり大砲を打ち込まれるとは思わなかったな、クククククッ」
I「いきなり大砲ですか!」
S「そのまま女の声で停船要求よ、中々の手際だが、相手が何しろ悪かったな。」
S「対抗解呪でリィマーの魔法が無効化されたりしたがな、何、我等の敵では無かったさ。」
S「しかし、驚いた事にな、海賊どもは勇者の顔を見たとたんに白旗を揚げおったのさ。」
S「その海賊はな、オルテガに助けられた事が有ったらしくてな。」
I「それでですか!」
S「ああ、海賊の首領、女海賊だったが、はアン。副官の魔術師はペーター」
I「アンとペーター・・・アンとペーターって!」
S「ああ、ノアニールのお騒がせなお姫様と其の思い人よ、ククククッ。」
S「ノアニールの一件を解決したときには、別次元に〜などと言って居ったがな。まさか海賊をしていたとは思いもよらなんだわ。」
I「それにしても・・・ほんとに偶然ですね。」
S「そうそう、貴様オーブの手がかりを示す詩覚えて居ったな。」
I「ええ・・・あ!『先を進みし者がつなげた縁により、海征く者のもと』」
S「うむ、聞けば海賊どもがオーブを持って居るとか。譲り受ける約束を取り付けてな、海賊の村へ向かったよ」
S「・・・到着するまでの間、勇者から説教され続けて居たアンとペーターには同情するがな。」

***

I「次こそアープの塔ですね」
S「うむ」
I「アープの塔と言うと、大量のアンデッドが巣喰って居て・・・と伝え聞きますが」
S「ああ、其の通りよ。ソフィアの受けた託宣に拠れば、不死者と暗闇に対する備えをせよ、という事だったのでな」
S「十分な備えはしたつもりだったが、なかなか上手く行かぬものよ」
I「一筋縄では・・・」
S「行かなかったな。一度は海賊の村にとって返す事になったしな」
I「それは大変でしたね!中に巣喰って居たアンデッドは・・・」
S「ヴァンパイア、そしてその眷属であるヴァンパイア・スポーンどもよ」
S「我が暗視でも見通せない暗闇に不安定な足場。負のエネルギーを与える闇竜、吸血鬼の眷属の群れ。」
S「対するはリィマーとマイリィルの魔法、ソフィアの聖なる力、勇者と我が剣。」
S「勝負は一瞬で着いたが、正に紙一重だったな。あの時、暗闇の中を吸血鬼に自由に動き回られて居たらと思うと・・・ゾッとするな。」
I「やはりそのヴァンパイアは『やまびこの笛』を手に入れる為に魔王から派遣された?」
S「いや、そういう訳では無かったようだな。」
I「どちらにせよ、無事『やまびこの笛』を手に入れてまた一歩魔王に近づいた訳ですね。」
S「ああ、そして次の目的地は・・・」
I「・・・ランシールの勇気を試す洞窟、ですか」
S「其の通りよ」

冒険の書 −拾−

I「つまり、次の行く先は・・・」
S「ああ、ジパングだ。」
I「はぁ」
S「どうした?」
I「いえ、なんでもありません。続けてお願いします。」

〜冒険の書 拾〜

S「勇者としては何をおいてもジパングに向いたかったとは思うのだが、まずは今与えられている使命を果たさぬ訳にはいかん。」
I「バハラタ〜ポルトガ間の陸路での安全確認ですね。」
S「うむ。今後の事を考え、ダーマにまで足を伸ばしてしまったがな。」
S「そうそう、賢者の塔の後でソフィアが転生したんだが・・・」
I「アアシマールでしたか?」
S「うむ。だがあれは・・・いや、まぁ良い、先へ行こう」
I「・・・?」

***

I「ポルトガまでの陸路は何事もなく?」
S「ああ、特に今度はドラゴンに遭遇したりもしなかったな。」
S「ポルトガで道程について報告し、胡椒を受け渡し、船を受け取ったんだが・・・」
I「どんな船だったんですか?確か新造艦ということでしたが」
S「どんな小船を押し付けられるのかと思ったら、まさに最新鋭の船よ」
S「サイズこそ小さかったが、水界の精霊の力で無風でも外輪により進むことができる快速艇でな。」
S「運用も本来であれば何人もの乗組員が必要だというに、たった一人で航行可能」
I「す、すごいですね。確かにここ数年、風力や人力に拠らない船が増えてきていますが・・・」
S「武装もカタパルトとバリスタが一基ずつ。まぁ十分だろうな。」
S「とりあえず、海洋上での戦闘が想定されたし、転生したメンバーは装備の変更が必要だったのでな、その準備よ」

***

I「いよいよ出航ですね」
S「ああ、この旅に同道したのは我等勇者一行5人と、新大陸に街を作るというアリシアとアリシアをスカウトした男の7人だ。」
S「航海を開始して数日間はまったく何事も起こらなくてな。海も凪いでいて、ポルトガの海運を脅かしている海魔の影も形も無かったんだが・・・」
I「勇者の名前に恐れをなしてなんて事はありませんよね。」
S「クククッ、そうであったなら楽だったのだがな、やはりそうも上手くはいかぬ。航海を始めて一週間位だったか?その日の海も非常に穏やかでな、気も抜けかけていたかもしれん」
S「夜、確かリィマーと俺様が見張りをしていた頃だったな。突然船底に何かが激突する轟音よ。」
S「あわてて船べりから海を眺めると、確かには見えぬが魚人どもが何ぞ企んでおる様子。」
I「相手は水中ですか!」
S「うむ、"水中呼吸""飛行""妨げられる事なき移動"の援護を受けて地上と同じように闘えるようになってから対処したい所だったのだが、状況は切迫していた。」
S「最下層の一部区画からは既に浸水が始まっている。ソフィアがおきてくるのを待って呪文の援護を待つ余裕はまったく無かった。」
S「リィマーが一計を案じてな、"変身"の呪文で俺様をヒュドラに変えたのさ」
I「ヒュドラですか!何故またその姿に・・・」
S「ああ、"変身"の呪文も万能では無くてな、術者の力量を逸脱した姿に変化させられる訳ではなくてな」
S「さらに、その生き物の体の機能として水中での呼吸ができなければ意味が無い」
I「なるほど!その条件を満たすのがヒュドラだったんですね」
S「うむ、呪文の援護を受け、そのまま海に飛び込んだ俺様の前には10匹を超える魚人の群れ、そしてさらに深海に・・・クラーケンよ」
S「あの時は流石に死を覚悟したな、なんとか起きて来た勇者に十分な支援魔法を使用する時間は稼げたが・・・」
S「それまでの時間の長かったこと長かったこと、ククククククッ」

***

I「身も凍る戦いでしたね」
S「ああ、実際に北半球で二月頃だったから身も凍ったがな。クククククッ」
I「その後の船旅は如何でしたか?」
S「その後は大した遭遇も無かったな。」
S「無事、新大陸にアリシアと同行者を下ろし、ジパングに向ったよ」
S「この後またアリシアに会う事になるのは・・・まぁ、その話は後にしよう」
I「そう言われると気になりますが〜」
S「何、物事には順序と言う物があるのさ」
I「は、はぁ、では気になりますが、その事は後の楽しみに取っておきます」

***

S「三週間程の航海の末、我等は無事にジパングに到着した。」
I「今は女王イヨ様の下で発展著しいですね、先日の万国博の出展でも随分と評判でしたね。」
S「大層盛況だった様だな。」
S「我等が始めてジパングに着いた頃は、随分とこう言ってはなんだが田舎でな。」
S「ちょっとした漁村に毛が生えた程度の村があるだけでな、あの船で乗り付けた時には随分と驚かれたものよ。」
I「話には聞きますが、信じられませんねぇ〜」
S「ああ、あれからほんの数年しか経っていないというのにな」

***

S「しかし、困ったことにだ、タケルとアオイとは竜語で対話ができたのだが、村人とは完全に地方語のようで対話ができぬ。」
S「上陸したは良いが、遠巻きに囲まれるだけでな、武器こそ突きつけられなかったが、話が進まぬ。」
I「あ・・・そこでザビエルさんですか?」
S「うむ、なかなかに逞しいカスパードの司祭であったな。」
S「何でも、船が難破してジパングにたどり着いたらしいのだが、それも天啓と言葉も通じない土地で布教に当たったとか。」
I「ザビエルさんが先日出版された手記にその時の事が少し触れられてましたね」
S「ほうそれは知らなかった、読んでみたい物だな」
I「あれ、ウチの出版部から出したんですよ、今度お送りしますね」
S「そうか、すまんな」
S「・・・いかんいかん、話がそれたな。」
I「ああ、すいません!えーっと、宣教師のザビエルさんにお会いしたという所でしたね。」
S「そうだった、でだ、ザビエルにジパングの様子について話を聞いたのよ、オロチとヒミコの事も含めてな」
S「ジパングは昔から続く竜神信仰の国・・・我等の言う所のバハムートを信仰している国だったんだが・・・」
S「確かに、我等が到着する数年前から、オロチの怒りを納める為と称して乙女の生贄を捧げているという話だ。」
I「それが、ジパングのオロチ退治の・・・」
S「うむ。聞けば前日にも生贄が捧げられたとか、先ず我等はザビエルに話を着けてもらい女王ヒミコに謁見したのさ。」
S「しかしだ、取り付く島も無い。こちらがオロチを退治しようと言っても『この国のことだから外国人は黙っていろ』の一点張りよ。」
S「まったく話にならないまま女王の前を辞した我等だが、今の状態を看過する訳にも行かぬと『オロチの洞窟』とやらに向ったのさ」
I「確かに、上手くすれば前の日に捧げられたという人を助けられるかも知れませんしね」
S「その通りだ」

***

S「オロチの住むという洞窟は、ジパングで最も高い火山の麓にあった。」
I「火山、ですか」
S「ああ、我等もオロチの住処については、限られた時間ではあったが調査していたからな、耐火の準備は万全よ」
S「途中、火精霊に襲われたりもしたが、ハナから闘う準備万端の我等の敵でもなく洞窟の最深奥に到着した」
I「生贄の女性は・・・」
S「洞窟内では見つけなかったが、幸い逃げ出せていた様だ。」
S「呪文の援護を受け、オロチの塒に踏み込むと、陽炎の向こうに揺らめく幾つもの首。」
S「そしてヒュドラのさらに奥には・・・ヒミコの姿よ。」
S「何のことは無い、ヒミコとヒュドラは共謀してジパングで悪逆の限りを尽くしていたのさ。まぁ、この下りは吟遊詩人の歌の方が詳しいかもしれんな。」
I「はい、ジパングの偽女王とオロチ退治ですね。」
I「オロチは火炎ヒュドラでヒミコ、いや偽ヒミコはサキュバスだったと聞いていますが・・・」
S「ほう、なかなか詳しく伝わっている物だな。」
S「実際は聊か異なる。オロチも偽ヒミコもレッドドラゴンハーフだったのよ。正確にはヒミコはレッドドラゴンハーフのサキュバス、オロチはレッドドラゴンハーフの冷気オロチ。」
I「レッドドラゴンハーフの・・・え、レッドドラゴンハーフの冷気ヒュドラって、そ、それじゃぁ・・・」
S「うむ、われ等の読みも火炎ヒュドラ、まさか冷気無効だとは想像もしていなかったさ」
I「さぞかし激しい戦いになったのでしょうね」
S「一歩間違えていればどうなっていたか判らなかったな。」
S「やはり奴等には圧倒的優位な立場に居るという慢心があったのだろうな、我等の刃の前にヒミコは倒れ、オロチもすべての首を落とされ傷口を酸で焼きつぶされ沈黙したさ」

冒険の書 −玖−

S「って訳で、ダーマに向かったわけよ。」
I(口に含んでいたものを噴出しつつ)「ゴホッ、ゴホ・・・は、はい、そうなんですね(と、突然変わるから・・・)」
S「あら、どうしたの?大丈夫?・・・ちょっと勿体無いじゃない。はい、お水。」
I「あ、ありがとう、ご、ございます・・・」

〜冒険の書 玖〜

S「ダーマ神殿の道のりで身の危険を感じる様な遭遇はほとんど無かったわ。」
I「この頃はもう皆さん随分強く成ってらっしゃいますね」
S「そうね、流石に『普通の』盗賊団あたりじゃぁ相手に成らなくなってたしね。」
I「それでは其のまま何事もなくダーマ神殿に?」
S「それがそうでもなかったのよ。」
S「ダーマ神殿に向かって何日目頃だったかしら?クマの化け物と戦う事に成ったは・・・目の赤いヤツよ」
I「目の赤い・・・ってことは、魔王の!ひょっとして勇者を狙って?」
S「いいえ、残念ながら、この場合は幸運な事にかしら?勇者ちゃんを狙ってって訳じゃぁ無かったの。」
S「街道を進んでいると、先の方から悲鳴が聞こえてきたのよ。」
S「悲鳴と聞いて黙っている勇者ちゃんじゃないわ。そちらの方へ向かって見ると、見慣れない服装の男女二人を、そのクマが襲っていたの。」
I「見慣れない、服装ですか」
S「ええ、後から聞いたんだけど、ジパングからはるばる旅して来たって話だったわ」
S「遠目に見ても、二人ともとても切った張ったが得意な様にはとても見えなかったわ。」
S「なんとか勇者ちゃんが間に合ってね。傷一つ負わず、とは行かなかったけど、何とか二人を助けられたわ」
I「その二人にとっては正に勇者だった訳ですね」
S「ええ。アオイちゃん〜ジパングからきた女の子ね〜達に会ったお陰でこの次の行く先が決まったんだけどね・・・」
I「ジパングといえば、吟遊詩人の歌に拠れば、ヤマタノオロチと卑弥呼の・・・」
S「其の通りよ。二人はアオイちゃんとタケルって言ってね、恋仲だそうなのよ。」
S「アオイちゃんは巫女さんで、タケルは刀鍛治だったわ。」
I「なんでそんな所を・・・」
S「ジパングはね女王が治めてる国なんだけど、数年前からヤマタノオロチを鎮める為にってんで若くて可愛い女の子ばっかり生贄に要求してるんですって。」
S「まったく持ってケシカラン話よね。」
S「でもって、タケルは生贄に決まったアオイちゃんを連れて小船で海に逃げ出したんだって」
S「なんとか陸にはたどり着けたんだけど、此処がどこかも判らないってんで、とにかく街道沿いに歩いていたら、クマに襲われたって話だったわ。」
I「と言うことはダーマの次の行き先は・・・」
S「ええ、口にこそ出さなかったけど、勇者ちゃんの考えは、ね。」

***

S「二人を此の侭放り出す訳には行かないからね、二人も連れてダーマに向かったわ。二人も身の振り方を考えたいって言ってたしね。」
I「ダーマ神殿、転職の神殿ですね。」
S「そ、あそこでしか転職できないなんて不条理よね〜」
I「アノ当時は大変だったでしょうね〜今でこそ簡単に行けますし。自分もあそこで記者に転職しましたから(笑」
S「あら、そうなの?ちょっと〜ずるいわ〜。あたしたちの時は命がけだったって言うのに。」
S「って事は、最近はダーマ神殿行った事がある人増えてるのかしら?」
I「ですねぇ・・・自分の課の人間も皆転職経験ありますし。」
I「・・・あ、でも今転生は随分と審査が厳しく成っているみたいですよ。貴方は〜」
S「ええ、あそこでゴライアスに転生したわ。あたしの時は簡単な面接だけだったけどねぇ」
I「いや〜〜平和に成ってから『一度しか転生できない!』って言ってるのに、転生に失敗しただなんだって文句言う人が増えて大変だったみたいですよ。」

***

S「ガルムの塔ね」
I「悟りの書が置いてある、いや、置いてあった、塔ですね」
S「そ、あたし達が見つけたからね。」
I「其処は伝え聞く通りなんですね。」
S「ええ。あ・・・あの塔の目的を考えると、ひょっとしたら今も悟りの書、あるかもねぇ」
I「どんな塔だったんですか?」
S「むっずかしい構造の塔だったわね〜登ったり降りたり、飛んだり・・・」
I「と、飛んだりですか」
S「ああ、まず最初から話しましょうか。」
I「お願いします」
S「まず、ダーマ神殿で聞き込みをしたんだけどね、どうも良い噂を聞かないのよ」
S「どうやら『別の世界』から来たタイプの敵がうろついてるらしいってね。」
S「有る程度アタリをつけて向かって見たんだけど、確かに空飛び回ってるのよね」
S「まぁ見つからないように気をつけて塔の中に入ったんだけど、それでも一階には人は居たわ」
S「なんかもう物だか人だか分からないくらいまで自然と一体化してる人も居たし・・・」
S「話ができる人も居てね、聞いて見ると上の階に変なモンスターが巣食ってるから、上の階には行ってないって言うのよね。」
S「それじゃぁ、と奥まで踏み込んで見たら・・・」
I「奥まで踏み込むと・・・」
S「人が一人しか立てないような通路、五歩も歩くと登り階段、下り階段」
S「やっと開けたと思ったら、外にむかってぽっかりあいた開口にロープ一本で隣の塔よ」
S「あんな所で何の悟り開けってのよね〜モンクとかローグでもなきゃわたれないわよ、あんなの。あ、もちろんニンジャもね。」
I「そ、それが悟りの塔ですか」
S「ええ。あっちだこっちだとうろついてたら、確かに『外の世界』の化け物も巣食ってたわね。」
S「あとは、ドラゴンも」
I「ま、また、ドラゴンですか!」
S「ええ、今度も青ドラゴン。イシスで戦った奴よりもちょっと年上だったのかしらねぇ?」
S「塔の最上階に巣作っててね。あの時は危なかったわ」
I「そうすると、又ドラゴンの財宝が・・・」
S「それが、こっちのドラゴンは大した事なかったわね。ひょっとしてあのドラゴンも悟り開きに来てたのかしら(笑」
I「(笑)」

***

S「アタシはどうにも新しい身体になれなくて、足引っ張っちゃったけどね、なんとかドラゴンも退治して『悟りの書』も手に入れたわ」
I「魔術師の方が賢者になられたんですね。」
S「ええ、でもって、意気揚々とダーマまで引き上げて見たら・・・あんな事に成っていたとはね。」
I「な、何があったんですか?」
S「アオイちゃんとタケルが居なくなってたのよ。あたし達に一言も残さないでね」
I「不可解ですね、でもそれだけなら・・・」
S「ええ、それだけなら身の振り方を決めて出発したのかって思う所だけどね」
S「ダーマ神殿の人たちも何も聞いてなかったし、何より・・・」
I「(ごくり)」
S「あたしはこの通りゴライアスに転生した訳だけど、今まで使ってた武器が身体に会わなくてね」
S「転職するつもりなら、刀鍛治で居る間にあたしの身体にあった剣を鍛えてくれって頼んでたのね。」
S「その剣は鍛えてくれていたのに、メッセージも何も残してなかったのよ。」